日本の自動車ラジオ



参考自動車ラジオ米国での初期 1927-1935年代

自動車ラジオ(Autoradio)は米国ではラジオを製造したのは1928年とのことで1930年代は,米国ではST管が登場しました。ヒータ電圧が6.3Vの新しい真空管は,蓄電池の平均電圧に合わせた規格とのことで,自動車に搭載する目的で開発されたものとの説が有力のようです。びっくりです米国では1935年には自動車ラジオが300万台以上と大量に販売された様子。

自動車ラジオ日本での初期 1925-1935年代

この時代は日本国内は一般にはラジオなども無く、自動車といえばトラックかバス,田舎には自家用乗用車など皆無でした、、自動車ラジオがあろうはずもない。1925年大正14年に初めて放送開始されても各地方ともNHKの1波だけでしたし,24時間の放送もなかったでしょうから,運転しながら交通情報を聞いたり,一家でピクニック時にラジオを楽しむなぞという風景は無く、資料では海岸にポータブル電蓄を持ち込んでダンスなどを踊っているのが粋に見える程度ですね。でも,自動車ラジオの回路図は雑誌に掲載されたようです。


自動車ラジオ日本での繁栄時期 1950-1998年(戦後の昭和)代

我が国では今日でこそ車社会で、一家に数台とあふれていますが,戦前には都会にノックダウン生産された外国車がチラッ、と見る程度だったのでしょう,戦後,1950年(昭和25年)前後になって初めて自動車ラジオ(ST真空管使用)が登場しました。その頃まだ個人の乗用車等は無く,観光バスなど大型車両に拡声器兼用ラジオ(バスラジオ)を積むのが流行で,やがて,乗用車の普及とともに,自ら運転しながら個人的に楽しむラジオ(カーラジオ)として自動車ラジオが発達しました。

自動車ラジオ日本の電気各社の出始めの様子

@クラリオン(白山無線電機-帝国電波)クラリオンは1948年にバス用拡声器等を製造し,1951年にはカーラジオを生産したようです。1953年にはルノー用に(日野自動車)純正部品の指定を受けた。そして1958年に米国輸出。(当館に展示してありますのは、初期ものは残念なことに現在ありませんかなり新しい時代の機種です)

A東芝(マツダラジオ)は戦後1949年になってバス用のラジオを作りました。恐ろしいことに,ST管スーパーであって,同調もバリコンでした。(当館には東芝製1台もありません、カタログで掲載させていただきます)

Bテン(川西機械-神戸工業-富士通テン)は今日では老舗ですがその頃から自動車ラジオを造り始めました。テンは1953年トヨタ自動車工業のクラウン用カーラジオを生産,1954年に純正部品の指定を受けました。1959年にはトランジスタ化。
C松下通信機も1957年代末に真空管式オートラジオを製造しました(当館に展示してありますMT管使用の真空管式ラジオの1台はラジオの幅が広く輸出用か、ノックダウン生産さんされた自動車に搭載されたのかもしれません。又もう1台はToyopetと入っていますのでテンの1953年トヨタ自動車工業のクラウン用カーラジオを生産,1954年に純正部品の指定を受けました。となっていますので、其の後継機種だったのかもしれません)
D三菱電機も1957年にはオートラジオを製造しました。(当館に展示してありますのは、ダイアル式と、押し釦式の2機種)



日本の自動車ラジオは初期と現代に大きな特徴があります

@それは自動車ラジオの大きさにあります、当初はメーターフロント部分の中央とか下とか空きスペースに取り付けられたものでどうかすると助手席など足の置き場がなくなるくらいの所に設置されたりしました、又大きさも各社自由の大きさで製作されたようです、
A昭和40年頃サニー、カローラ、コルトなどの一般大衆車が出てきたときにはフロントメーターパネルの一連に納まるようになり国内で大きさ統一されたのでしょう。
Bその大きさは横幅155mm、高さ55mm、奥行きは特に定めては無かったようですがおおよそ200mm前後のよう。
C従って 155mm, 55mm, 200mmの時代は1960年(昭和35年)頃から1989年(昭和64年)頃迄までの長い期間採用されたようですが、平成時代に入った頃のCDプレヤーを搭載するに当たって、ここで大きさの変更はありましたのも次の二つの理由かと思います
DこのCDプレヤーの搭載を考えたとき従来の155mm 幅に納めることは難しい、もうひとつには日本独自の 155mm こだわっていました、大きさのものを国際的に標準な大きさの188mmにあわせ海外向けをも狙い、販売促進なども考慮され思い切ってこの時点で国内メーカーすべて 188mm に統一され世に出てきたような気がします
Eなぜ、当館が大きさにこだわるコメントをしていますのも真空管ラジイオの昭和32年松下通信機製造のラジオがなんと横幅が近年のラジオと同一寸法の188mmでしたので色々検索していましたら、以上述べたような結果に達した次第です、多少は大きさの変更のいきさつが今まで述べたようなことではないにせよ、昭和32年【1957年】に輸出向けあるいはノックダウンされた自動車向けが製造販売されていたと言うことは日本の電子メーカーをほめたいですね。
F日本車が最初から188mm幅自動車ラジオを製作していれば変更の必要は」無かったのではないかとも考えましたが、おそらく日本独自の国産車は欧米自動車に比べ当初から小型であったことが最大の要因でしょう、おそらくパネル面、の有効性を考慮されたときに各社みんなで155mmを日本車自動車ラジオの標準にされたのでしょう。

松下通信機も1957年代末に真空管式オートラジオを製造しました(当館に展示してありますMT管使用の真空管式ラジオの1台はラジオの幅が広い188mmです
HONDA-SONYの自動車ラジオは近年のタイプで188mm幅ラジオです




自動車ラジオ現品は撤去しましたので有りません 展示の資料のみの掲載となります、


自動車ラジオ(昭和30年頃から平成12年頃)


松下通信機
(National)

AV-32
真空管式
アナログーダイアル
松下通信機
(National)

Toyopet
真空管式
3ポイントプリセット
松下通信機
(National)

35B-60
トランジスタ式
カセット付き
連続ステップセット方式
三菱電機
(Mitubishi) 

AR-330
トランジスタ式
アナログーダイアル
三菱電機  
(Mitubishi)

AR-300
トランジスタ式
5ポイント押し釦プリセット
日立 
(Hitathi)


TM-707
トランジスタ式
5ポイント押し釦プリセット
神戸工業
(Ten)


AT-1111-6
トランジスター式

SS-25
トランジスター自動チュ-ニング式)
東芝
(Toshiba)

7CS-10T
トランジスター式
5ポイント押し釦プリセット

帝国無線
(クラリオン)

トランジスタ式
FM-AM押し釦プリセット
本田
(HONDA)<

トランジスタ式
RADIO+CASETTE
ソニー
(SONY)

トランジスタ式
RADIO+CD
日本電気
(NEC)

トランジスタ式
RADIO


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