地1号無線機はこちらの方のホームページ資料に大変詳しく掲載されています http://www4.ocn.ne.jp/~minouta1/army_ti-1.html

地二号二型  

旧陸軍受信機

地二号無線機(二型)受信機 昭和14年(1939年)頃か   

地二号無線機(二型)受信機、本受信機は地2号受信機一型の前身で、回路構成は殆ど同じであると言われています

地二号(二型)と同一化どうか当方詳細不明、従いまして製造製作の年代確定できません 

地二号無線機は送信機と受信機から構成されていますがここでは受信機のみ掲載です (送信機現品当館に無し)

受信機のコイルユニットはこの映像では対空2号二型受信機用の受信線輪が挿入されています

◎地線端子



二号無線機(高一-中二-低一スーパーヘテロダイン方式)

真空管式 UZ-6D6(高周波増幅),UT-6L7(混合・中間周波増幅),UY-76(局部発振),UY-76(BFO), UZ-6D6(中間周波増幅),UT-6B7(検波・低周波増幅),UZ-41(低周波増幅)の7球、電源部は後日修復する  

二号無線機(受信周波数)

二号無線機(一型)

140kc〜15.0Mc高周波ユニット(プラグインコイルユニット)捲線 8個より構成

高周波ユニット1〜4では1号IFT(25Kc前後)、高周波ユニット5〜8では2号IFT(200Kc前後)に差し替える

高周波ユニットを調査した結果、中間周波ユニット1号IFT(25Kc前後)2号IFT(200Kc前後)であることが判明いたしました

二号無線機(二型)

受信範囲:2.5Mc〜10.0Mc(プラグインコイルユニット)線輪3個より構成

@ 現状で中波帯が受信できていますがIFTの中心周波数とアンテナ、及び同調コイルのFoとの

関係であって感度が落ちて(−6DB位)も受信は可能となっていますので二号無線機(一型)の高周波ユニット

(捲線 No.4 受信機No.3766 820kc/1500kc )の中波帯ユニット挿入すれば受信ができます

AIFTは 本体銘板のNo.31645、IFTのNO.31645ですので組み合わせは当初のままです

受信機本体 寸法 353  x 298  x 188  m/m 重量  Kg

コイルユニット(8個用ですので二号無線機(一型) 340mm x 210mm x 216mm 木製  Kg

本機は現状で動作品ですが電源のロータリーコンバーターが取り除かれていますので、 別部品で修復を試み復元に挑戦しています(進行具合は現状をホームページに載せます)

2号無線機(二型)受信機修復後 手前は手持ちの部品で製作した直流変圧器ユミットです

受信機前面
機種銘板 ●BFO音色調整器 同調目盛 ◎空中線端子◎共通空中線端子
●同調蓄電器

◎受話器端子 ↑電信電話切替器●音量調整器 ●高周波補正蓄電器 ●検波補正蓄電器●空中線減衰器
◎受話器端子

周波数置換表、 受信線輪
電源スイッチ(芯線) 陽極電圧投入スイッチ ◎ 「遠操器」遠操同時送受信用端子◎「送信機」局操同時送受信用端子





内部上面

左側面 からの様子(修復前)--------右側面 からの様子

左側面 修復後の様子(試作した直流変圧器・AC100V電源装備状態)

後ろ面 からの様子直流変圧器装備の状態(DC12Vで運転)

後ろ面 からの様子(左側は入手時)⇒電源AC100V

底からの様子(電源取り除いた状態)



展示用に装備するためのAC電源製作

@AC100V用改造電源部(商用電源で使用できる電源にしました、チョーク、電解コンデンサーは流用)

試験結果ほぼ満足な性能で実用になる事確認

オリジナルに近ずける為直流変圧器電源の製作

電源部Aオリジナルに近ずける為。手持ちの直流変圧器(下記映像)がありますのでこれを使用し復元しようと思います、

オリジナルの機能を少しでも再現しようと直流変換機で製作しました

オリジナルに尚いっそう近ずけようと外枠をつけてみました

手持ちの直流変換機12V用ですのでヒーター用6Vは安定電源(6V2A)を組み込ま

した。(右に取り付け前の映像)本体には改造によるダメージを与えないですむ方法

接続のコネクターはACプラグ(メス側)を丁寧に加工しソケットになるよう改良しま

した。従ってパネル面のスイッチは表示どおりの機能を保つことができています。

オリジナルはDC6Vのようですが、手持ちのものがDC12V用ですのでヒーター用に6V

の安定電源回路を組み込みました(6V2A程度安定電源)右は取付固定前の姿映像





参考・オリジナルの受信機内部、右下部は直流変圧器。




             

配線図と各部の参考データ

(現品より読み取り作成したもので当初のものかどうかはわかりません ただし電源以外は手を加えた様子は見けられません。オリジナルと思いますが参考程度に見てください

受信機本体配線図



電源部(商用100V用 ,オリジナルに似せかけた直流変換機使用の電源)



本装置の二号無線機(二型)の受信状況確認しました。

現在、長期間本機に寄り添っていました、捲線ユニットは(一型)(二型)寄せ集めですかね

捲線 No.1   受信機No.3766 140kc/250kc  実測値(トラッキングなど未調整)現状⇒未動作 

捲線 No.2 受信機No.3766 250kc/450kc 実測値(トラッキングなど未調整)現状⇒未動作

捲線 No.3 受信機No.3766 450kc/820kc 実測値(トラッキングなど未調整)現状(目盛=70)700Kc〜850Kc(目盛=100)

捲線 No.4 受信機No.3766 820kc/1500kc 実測値(トラッキングなど未調整)現状(目盛=50)850Kc〜1350Kc(目盛=100)

捲線 No.5 受信機No.3766 1500kc/2500kc 実測値(トラッキングなど未調整)現状(目盛=0)1.3Mc〜3.0Mc(目盛=100)

捲線 No.6 受信機No.3766 2500kc/4500kc  実測値(トラッキングなど未調整)現状(目盛=0)2.2Mc〜5.0Mc(目盛=100)

捲線 No.7 受信機No.4043 4500kc/8200kc 実測値(トラッキングなど未調整)現状(目盛=0)1.9Mc〜9.0Mc(目盛=100)

線輪 3    受信機No.31644 8200kcー10000kc 実測値(トラッキングなど未調整)現状(目盛=0)6.8Mc〜16Mc(目盛=100) 

銘板に【捲線】 No.1-2-3 ・・・8が一型用で【線輪】1-2-3が二型用のようです



ご所蔵受信機に関わる事柄ですが、と言うことで教えていただいた内容は

受信機に付属の線輪箱は対空2号二型受信機用です。このため、

お送り頂いた写真に写る7番線輪は対空2号二型受信機用であり、地2号二型受信機用ではありません。

対空2号二型受信機と地2号二型受信機は類似しており、線輪には互換性がありますが、

両機は中間周波数が異なります。



従いまして本装置のコイルユニットは線輪 3     (受信機No.31644 8200kcー10000kc ) だけのようです、ただし刻印番号が違いますので別なセットのものですね 

以上のごとく受信できています、尚巻き線ユニットNo.7 受信機No.4043は、故障していまして受信できませんでした。

巻き線ユニットをバラシ修理、なんとミゼットトリマーバリコンの半田の盛り上がりが一部分多く、長年の腐食で花が咲いたよう盛り上がりができ て電極ショートしていました

高周波ユニット1〜4では1号IFT、高周波ユニット5〜8では2号IFTに差し替えるといわれていますのでおそらく IFTが25Kc位と思います。本装置のIFTは200KC前後のようで1・2のコイルユニットはOSCとアンテナコイル、同調コイルとの開きが大きすぎ

受信感度が極端に下がり受信できないようです、テストではぎりぎり700Kcぐらいまではデップメータ ーの変調は受信できました。従ってここではNO,6・7・線輪3のコイルユニットがこの装置でほぼ正常に動作しています、ただしたまたまこの

3個のコイルユニットは番号からして寄せ集めですので受信周波数範囲がちぐはぐなのではないでしょうか。



すばらしい状態まで修復できましたことは感激している次第です。



真空管ーピン番号と接地間データ

パネル面のツマミはすべて左一杯の位置での測定です、○のC、29などはソケットに刻印彫刻されている部品番号

    
C 初段高周波増幅 6D6 29 局部発振 76 N 混合中間周波増幅 6L7 38 中間周波増幅 6D6 59 検波・低周波増幅 6B7 49 発振(BFO) 76 S 低周波電力増幅 41

ピン番号 抵抗値 印加電圧

1⇒ 0/ 6V

2⇒ 96.7kΩ/ 200V

3⇒ 54.8kΩ/ 50V

4⇒ 435Ω/ 1V

5⇒ 435Ω/ 1V

6⇒ 0/ 0


ピン番号 抵抗値 印加電圧

1⇒ 0/ 6V

2⇒ 96.7kΩ/ 185V

3⇒ 50.9kΩ/ −9V

4⇒ 1.55kΩ/ 12V

5⇒ 0/ 0V


ピン番号 抵抗値 印加電圧

1⇒ 0/ 6V

2⇒ 96.7kΩ/ 200V

3⇒ 53.3kΩ/ 50V

4⇒ 0 / 0V

5⇒ 2.3KΩ/ 5V

6⇒ 2.3KΩ/ 5V

7⇒ 0 0V


ピン番号 抵抗値 印加電圧

1⇒ 0 6V

2⇒ 96.6kΩ/ 205V

3⇒ 74.6kΩ/ 105V

4⇒ 474KΩ/ 1.35V

5⇒ 474KΩ/ 1.35V

6 0 0V


ピン番号 抵抗値 印加電圧

1⇒ 0/ 6V

2⇒ 96.8kΩ/ 190V

3⇒ 74.7kΩ/ 100V

4⇒ 508KΩ/ 0.7V

5⇒ 508KΩ/ 0.7V

6⇒ 0 0V

7 0 0V


ピン番号 抵抗値 印加電圧

1⇒ 0/ 6V

2⇒ 20.4kΩ/ −0.2V

3⇒ 50.4kΩ/ −0.7V

4⇒ 1.53kΩ/ 0V

5⇒ 0/ 0V


ピン番号 抵抗値 印加電圧

1⇒ 0/ 0V

2⇒ 95.7kΩ/ 200V

3⇒ 543kΩ/ −0.1V

4⇒ 524KΩ/ −0.5V

5⇒ 1.52KΩ/ 0.5V

6⇒ 0/ 6V




総合私見

軍用という特異な秘密裏での運用と統制化の時代の物が数十年経過し特別資料 も無く保管されてきた為何が本来の姿かわ誰も知ることは今となってはなかなか難し いものです、当方も戦争は知りませんし、直接何があったのかは知る余地も無い世代 です、現品に対しあまりとやかく言うようなものではないような気がします、1940年 昭和15年(紀元2600年ゼロゼロの零戦名称起源)の日本に民生用ラヂオと軍用受信機 がこのような形で残されていることに意義と価値を感じていただければ幸いです。 ここに展示されていますセットは94式のようですので紀元2594年昭和9年になりますか 1934年製と思われますが、使用されている真空管ですと、いま少し後の年代かとも思い ますので若干疑問が残ります。

          

古典ラヂオミニミニ博物館 管理者牧田良秋

  





お借りした映像


左側面 からの様子(修復前)--------右側面 からの様子

改造電源部(AC240Vトランスで構成されています、以前いつの時点か改造されていた回路)

電源取り除いた状態の部品とシャーシ裏面に記載されている回路図

電源回路を取り除いた電源部、以前いつの時点か改造されていた。電源230Vで何か理由がありそうと見て

いましたがなんとなく判明しました、根拠、回路図が底に記載されていて良く見ましたら、電源トランス、チョーク

トランス、電解コンデンサーすべて日本国内メーカーの部品ではなく、回路図の描き方にも米国人特有の描き

方に見えます、従いまして、おそらくこのセットは、アメリカ軍の戦利品で一度アメリカ国内をさまよったと見られ

ます。そして何等かな理由により再び日本国内に戻ってきたのではないかと推測されます。



本機の旧持ち主からの引継ぎ事項


受信機の状態・現状で動作品です。

・旧持ち主の受信状況は北海道ですが、簡単に10mほどのビニル線をつなぎ、アンテナにし、中波帯ローカル 放送のNHK第一675kHZ,同第二1467kHz,HBC900kHz,STV639kHz,青森NHK第一963kHZが受信できます。 長波帯・短波帯は受信できません。

・住友通信工業株式会社、地二号二型受信機と銘板に記載されており、中波帯は受信範囲外の はずですが受信できています。

・プラグインコイルは、受信周波数範囲140kc〜10000kcに渡り、総数8個付属しています。内 7個は銘板が同じ様式で、8200kc〜10000kcの物だけが異なります。IFユニットは1個しか付属し ませんが、これは本来1個だけのようです。プラグイン式にはなっています。

・電源がAC220Vに載せかえられています。電源200Vでテストしています。

・音量調整用VRが巻線断線のために交換されていて、配線ミスのためかもしれませんが、音量 調整が殆んど効かずゼロまで絞れません。断線した元のVRも手元にあります。

・ツマミの軸への固定ネジが3本位欠品です。

・パネル左下に何かのプレートが付いていたようですが欠品です。同じく左上にも止めビス だけが残っているように見受けます。

・他に部品の交換・欠品は見受けられませんが、見落としが有るかもしれません。その点は ご容赦下さい。

・球は全て当時のマツダ製で、昭和18年(13にも見える)製造のラベルが付いた物も有ります。

・6D6の1本がエミ減です。gm500マイクロモー位。

・各コントロール(ツマミ)は、正常動作かどうか分かりませんが機械的回転に電気的動作 が反応しています。

・電話の切り替えSWのラッチ(クリック)が壊れていますが定位置には固定され、電気的な 切り替えは出来ています。

・本体のフレーム部分に一部多少の歪みが有ります。

・電源コードはなし

・現状維持のため,入手以降球のチェック以外に清掃を含め、手を入れる事は一切行っていません。