旧日本海軍の92式特受信機

旧日本海軍がラバウルの野戦部隊の一コマの写真より再現し構成されたものです



92式特受信機 昭和7年(1932年)年式  

添付銘板より[製造は昭和17年]

 

当館の展示の様子(ほんの一部しかありませんが日本の軍用機器)

受信範囲:   20 Kc〜 20 Mc(2*5バンド)

受信機本体 寸法  667 mmx   337mmx  254 mm 重量  45Kg

受信機コイル収納ケース 寸法   mmx   mmx   mm 重量  Kg

写真映像の配線図掲載

 

92式特受信機用安定電源製作接続図〔作成牧田良秋〕

 

九二式特受信機改4接続図〔作成鈴木霧氏〕

 

九二式特受信機原図接続図〔石川さん軍用無線機資料〕

 

九二式特受信機接続図は広島資料館からの手助けにより入手、ありがとうございます

九二式特受信機の諸元

装置説明

        
商品名

★軍用受信機 92特

メーカー名 当館の展示品は東洋通信株式会社
型番 92特受信機
規格

 ●受信周波数   長波5バンド、短波5バンド20Kc〜20Mc
  長波帯20〜55、50〜140、120〜350、300〜800、600〜1500Kc(KHz)
  短波帯1.3〜2.6、2.4〜4.6、4.2〜8.4、7.7〜12.5、11.5〜20.0Mc(MHz)
 ●受信方式  長波 オートダイン方式、短波帯 スーパーヘテロダイン方式
 ●受信周波数帯域切替  プラグイン式によるコイルユニット交換
●電源     直流100Vまたは、直流220V及び 6V(直流または交流)
●消費電力      最大約   W ヒューズ( A)

寸法装置の大きさ ●縦:337mm、横667:mm、奥行:254mm、重量: 45  Kg
装置の状態 ●動作は正常(ほぼ正常)
●程度は、20年ほど前に化粧され修復したようです、塗装ハゲ部分上塗り多少有り、シャーシ内部は手が付けられていませんオリジナル。錆びは無し
装着オプション 特に無しなし
付属品 現状無し

取扱説明無し
配線図は


外観の特徴 ■金属製 塗装仕上時代相応     ■ダイアル機構:丸ダイアル、目盛り版表示
装置の各種機能と特徴 ■BFO   無し’(再生検波ですのでSSB復調可能) 
■長波用蓄電器(長波細密蓄電器)(再生蓄電器)、短波用蓄電器、(短波空中線蓄電器)(第一同調蓄電器)
■AGC無し
■クリスタルフィルター(無し)
■メカルカルフィルター(無し)
   ■
■高周波ゲインコントロール
■低周波ゲインコントロール
備考 内容その他本装置の諸元等はJA1BA,JA2AGP著書軍用無線機概説より引用させていただいております【古典ラヂオミニミニ博物館 牧田良秋】

実物現状の試験データ

試験データは以下の条件化でのデータです、将来故障したときのメンテ用に測定しておきました

電源は:A電源 6V直流、B電源は100Vまたは220V直流

パネル面設定位置

A、

B

C

受話器端子で交流   V〜    V前後で    短波放送綺麗に聞こえています



真空管ーピン番号と6Vマイナス端子間データ

本装置の実測値ですので仕様とか規格ではありません、将来故障したときの資料になればと記録しておきました

真空管番号はST菅標準仕様
2020-6-6本日測定してみました、(受信機1405KHz受信した状態で電源を切り真空管を外して測定
測定器はHIOKI PENCIL Hi TESTER 小型なデジタルテスターです

    
第一高周波増幅部 78 5極管 第二高周波増幅部 78 5極管  混合、局部発振  6A7  4極管

ピン番号 抵抗値 印加電圧

  1(H)⇒ ∞Ω/ 5.8V

  2(P)⇒ 28KΩ/ 219V

  3(G2)⇒ 18.5KΩ/ 129V

  4(G3)⇒ 1.5KΩ/ 13.3V

  5(K)⇒ 1.5KΩ/ 13.3V

  6(H)⇒ 0Ω/ 0V

  TOP(G1)⇒13.5kΩ/ V


ピン番号 抵抗値 印加電圧

  1(H)⇒ 0Ω/ 0V

  2(P)⇒ 28KΩ/ 219V

  3(G2)⇒ 18.5KΩ/ 129V

  4(G3)⇒ 1.5KΩ/ 13.3V

  5(K)⇒ 1.5KΩ/ 13.3V

  6(H)⇒ ∞Ω/ 5.8V

  TOP(G1)⇒2MΩ/ V


ピン番号 抵抗値 印加電圧

  1(H) ⇒ ∞Ω/ 5.8 V

  2(P) ⇒ 32KΩ/ 219V

  3(G1) ⇒ 16kΩ/ 129V

  4(G2) ⇒ 27kΩ/  218 V

  5(G3,G5)  ⇒ 43kΩ/ 13.3 V 

  6(K)⇒ 1.3KΩ/ 13.3V

  7(H)  ⇒  0Ω/ 0V

TOP(G4) ⇒  kΩ/ V


ピン番号 抵抗値 印加電圧

  1(H)⇒ Ω/ 0V

  2(P)⇒ KΩ/ V

  3(G2)⇒ KΩ/ V

  4(G3)⇒ KΩ/ V

  5(K)⇒ Ω/ V

  6(H)⇒ Ω/ V

  TOP(G1)⇒ kΩ/ V


    
第一中間周波増幅部 78 5極管 第二中間周波増幅部 78 5極管  検波・低周波増幅 77 5極管 低周波増幅 UZ-238無いので 89 5極電力増幅管

ピン番号 抵抗値 印加電圧

  1(H)⇒ 0Ω/ 0V

  2(P)⇒ 26KΩ/ 219V

  3(G2)⇒ 16KΩ/ 129V

  4(G3)⇒ 1.8KΩ/ 15.9V

  5(K)⇒ 1.8Ω/ 15.9V

  6(H)⇒ ∞Ω/ 5.8V

  TOP(G1)⇒2.2kΩ/   V


ピン番号 抵抗値 印加電圧

  1(H)⇒ ∞Ω/ 5.8V

  2(P)⇒ 26KΩ/ 206V

  3(G2)⇒ 16KΩ/ 129V

  4(G3)⇒ 1.8KΩ/15.9 V

  5(K)⇒ 1.8KΩ/ 15.9V

  6(H)⇒ 0Ω/ 0V

  TOP(G1)⇒2.3kΩ/   V


ピン番号 抵抗値 印加電圧

  1(H)⇒ 0Ω/ 0V

  2(P)⇒ 274KΩ/ 214V

  3(G2)⇒ 27KΩ/ 70.8V

  4(G3)⇒ 3.6KΩ/13.3 V

  5(K)⇒ 3.6KΩ/13.3 V

  6(H)⇒ ∞Ω/ 5.8V

  TOP(G1)⇒ 2.6kΩ/   V


ピン番号 抵抗値 印加電圧

  1(H)⇒ ∞Ω/ 5.8V

  2(P)⇒ 21KΩ/ 219V

  3(G2)⇒ 21KΩ/ 219V

  4(G3)⇒ 512KΩ/8.5 V

  5(K)⇒ 1.1KΩ/133V

  6(H)⇒ 0Ω/ 0V

  TOP(G1)⇒513kΩ/   V






参考配線図 九弐式特四号受信機(鈴木霧氏作成)回路図 
(コピーし、お使いになる方はこちらが鮮明かと思います2.6Mb)  





総合私見


軍用という特異な秘密裏での運用と統制化の時代の物が数十年経過し特別資料も無く保管されてきた為何が本来の姿かわ誰も知ることは今となっては
なかなか難しいものです、当方も戦争は知りませんし、直接何があったのかは知る余地も無い世代です、現品に対しあまりとやかく言うようなもので
はないような気がします、1940年昭和15年(紀元2600年ゼロゼロの零戦名称起源)の日本に民生用ラヂオと軍用受信機がこのような形で残されている
ことに意義と価値を感じていただければ幸いです。ここに展示されていますセットは94式のようですので紀元2592年昭和7年になりますか1932年式で        
機種銘板より昭和17年1942年の製造です



この92式特は特に思い出深い受信機です、入社当時この受信機で当時JJYを受信し測定器校正に使用していました、
海軍技術廠、島田実験所の遺産で昭和21年から島田理化工業創業当時より継続使用したものでした、残念なことに
その現品は昭和41年会社移転時に廃棄された模様(小生が使用した記憶は昭和35年から36年頃までその後転勤で不在)
 

古典ラヂオミニミニ博物館 管理者牧田良秋

  





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